DAILY SHORT COLUMNS - Daily Life -

 
2003.05.31
たかがパソコン、されどパソコンVol.39(business & life共通)

そのクライアントは、直接の資本関係はないのですが、売り上げの90パーセントをメインクライアントである某国内最大手通信会社に依存している、実質上は一部署にも等しいような企業でした。

私がお会いしたのは、一般的に言う総務と営業を兼ねたような部署のリーダーの方でしたが、打ち合わせには制作部門からチーフデザイナーのようなポジションの方と部下のデザイナーの方が同席されました。

依頼の内容というのは、チーフデザイナー以下2人のデザイナーの3名を始めとして、顧客や外部協力会社や外部委託先との窓口業務をしている女性社員6〜7名にDTPのスキルを習得させてほしいというものだったのですが、リーダーの方曰くそれが社長からのトップダウンによる依頼指示だとのことでした。

それだけ伺った段階で、そのクライアントの実情が把握できましたので、まずは役割分担と責任の所在を明確にしつつ成果を賃金体系に反映させていく労務環境整備と並行しての技能講習の実施の必要性を伝え、さらに基本知識と個々のコンピューティング環境の構築及び発展的維持管理のスキルの基準においてのみスタンダーズは有効であり、個々のアプリケーション操作は既にデザイナー個々のデザインワークの一環であり無意味であるとの旨を伝えたのですが、社長からの指示を忠実に果たすことを最優先するイエスマンとしての立場もあってのことでしょうが、ほとんどリアクションを感じることができませんでした。(続く)


2003.05.29

たかがパソコン、されどパソコンVol.38(business & life共通)

ある印刷業界の中堅企業から、ある特定部署に在籍する10名ほどの社員に、社内スタンダーズを確立しつつ、DTP(デスクトッププリンティング)の同水準のスキルを身に付けさせてほしいとの依頼がありました。

案件依頼の窓口担当者は、その部署の部長職にある方だったのですが、社長からのトップダウンによる前述のような指示に基づき、各方面の業者を調べたり相見積もりをとったりしていたようなのですが、結局は何故か個人営業の私に依頼がありました。

私のマッキントッシュ出張講習サービスのサイトだけを見れば、個人営業を前面に打ち出していますので、普段はいきなり企業、それもある一定規模を超えればなかなか直接依頼をしてくるものではなく、大抵は個人や個人営業主、せいぜい数名の社員を抱える小規模な企業がメインのクライアントになるケースが多いのですが、そのクライアントは印刷業界の中堅規模の企業でした。

例によって、私は対費用効果の視点からそうした試み自体の無益さを伝えて辞退しようと思ったのですが、ともかく打ち合わせをとの強い要望があったので、その会社を訪問することになりました。(続く)


2003.05.28

たかがパソコン、されどパソコンVol.37(business & life共通)

いくつか具体例をあげてみましょう。

まずは私の様々なウェブサイトの内の一つ、マッキントッシュ専門の出張基本講習ならびにトラブルシューティングサービスに最近依頼をしてきたクライアントのケースについてです。
http://www.globers.gr.jp/users/ringo/

ちなみにウェブサイトに方針や方法論については記載をしているにもかかわらず、ろくに内容も見ないで依頼をしてくるのでしょうか、個々のアプリケーションの操作方法を教えてくれなどという依頼は日々後を絶ちません。個々のアプリケーションの習熟に関しては、クライアントの立場での対費用効果の点から実施しないとサイトに明記しているにもかかわらずです。

そんな的外れな依頼もすべて含めれば、10件の依頼があったと仮定すると、その場で辞退をさせていただくケースが7〜8件、何通かのメールのやりとりやブリーフィングなどの段階に移行するのはせいぜい2〜3件,その結果正式にお引き受けするのは1件あるかないかといったところなのです。そのうえ、料金は1時間あたり2000円なのですから、これではたとえ個人営業とはいえども事業として成立させることは困難であると言わざるをえません。

私の場合は、あくまで総合的なコンセプトデザインやコンサルティングの一環として本来自然発生的に生まれてきたサービスを、顧客の要望に基づき単独のウェブサイトとして立ち上げているだけのことですし、あくまで総合案件の一部としての価格立てをしているわけですから、このサービスを単独で依頼されてももともと割には合わないのです。したがって、相応の成果を望めない何らかマイナーな要素があり、それが改善されない場合には、辞退してしまうことに躊躇はありません。(続く)


2003.05.27

たかがパソコン、されどパソコンVol.36
(business & life共通)

もちろんこれは極論ですが、パソコンでどんなことができるのかなどと第三者に尋ねてしまうような人達には、もともとパソコンなど必要ではありませんよね。でもそう言ってしまえば元も子もありません。

私の仕事に限らず、本当に必要か必要でないかなどという基準に立ってしまえば、世の中のほとんどの職業は後者の部類に入ってしまいます。仮に世の中が自らに必要なものが判る人ばかりになってしまったとしたら、ほとんどの現存する事業は成立しえなくなってしまうと思います。それほどに経済至上主義の私達の社会は、無駄な事柄で満ち満ちているのです。

それにしても世間には、自らが何をどうしたらよいのかが判らない人達が驚くほどに多いのです。私の場合、日常の生活の上でもビジネスの上でも出会うほぼすべての人達が、何らかの形での顧客となってしまうことが多いので、宣伝や営業の面では、関連のウェブサイトを開設しているだけで、まったくといってよいほど何もする必要がありません。こんなご時世に幸せであると思うべきなのかもしれませんが、依頼の多くを辞退するのに日々多くの時間と手間を割かねばならないことは相当な苦痛が伴います。

というのも、私はビジネスの上では成果保証を原則としていますので、とても達成が困難と判断せざるを、つまりは辞退せざるをえないような依頼が実に多いのです。断る案件に共通していることが、何をどのようにしたらよいのか判らない経営者や担当者が依頼主であるということです。(続く)


2003.05.25

四十にして立てるか・・・Vol.35

たまたま私を取り巻くケースに限ったことなのかもしれませんが、世間の表舞台に登場してくるのは、大抵は評価に値しないような人達に限られてしまっています。もちろん例外は、少ないながらも存在はしていますが・・・。

勿論その評価の基準は、私の独断と偏見に支配されているのですが、私が心からの感銘や実質的な影響を受けたほぼすべての人達は、ほとんど例外なく完全に世間に埋もれてしまっているのです。

そんな事実がまだ私がまったく知り及ばない面識のない人達にもあてはまるものとして、相手の社会的立場や実績あるいは第三者の評価などに囚われないで、あくまで私自身の判断基準に基づいて交流を深める相手を選び、そしてそんな出会いを大切にするように自ずとなってきた感があります。


私は四十歳を迎える時を境にして、それまでの来る者は拒まず去る者は追わずというスタンスから、大抵の者は拒み去る者は追わずというそれに大きく方針転換をしたのですが、それまでは日常的に特にビジネスの上では珍しくもなかった相手との信頼関係の崩壊も、それ以降はまったくといってよいほどなくなりました。

単純な話、私は自らを偽ってしまうことのできてしまう人達とは信頼関係を結ぶことができないのです。価値観や思想の違いは相手への興味にはなっても、何ら信頼関係の構築を阻害する要素にはなりえません。しかし、自らの絶対的価値基準を持たない、他者との比較という相対的価値基準に終始しているような人達とは、私はお互いに近付かないという消極的尊重のルールを護るようにしています。(続く)


2003.05.18

四十にして立てるか・・・Vol.34

やはり彼女のお兄さんとも、私が高校を卒業して以来一度も会ってはいないばかりか、風の噂もまったく聞こえてはきません。あの頃夜毎ロフトで語り合った個性的な仲間達についても同様です。

彼女もお兄さんも仲間達も、もはや現実の存在ではなかったような、まるで本の中の架空の世界の人物達であったかのような気すらしてしまうほどに現実感が希薄なのです。もう三十年近くも前のことになってしまうのですから、当然と言えば当然なのかもしれません。

それでも、彼らの存在をきっかけとして、私はそれまでのただ生かされてきたところから私自身の人生を歩み始めたわけですし、今日の私自身の在り様に至る経緯においても様々なはかりしれなく大きな影響を受け続けてきたことも確かな事実なのです。

あの頃のロフトという隔絶した空間に身を置いている時には、世間の人々がそして当時の世界がとるにたらない低次元な存在に感じられたものですし、その時間と空間を共有していた彼らによって、その後の世界は支配されていくように錯覚してしまうほど、彼らの頭脳や能力そしてそれぞれの強烈な個性は、当時の私に大きな衝撃を与えたものでした。

彼らという圧倒的存在との最初の出会いから始まって、それ以降も私のその時々の在り様に大きく影響するような出会いがいくつかありましたが、そうして出会ったほとんどの人達は世間に埋もれていてその後の消息もしれないのです。(続く)


2003.05.13

つかの間の安らぎVol.10(business & life共通)

このコラムのシリーズも、このとろまた更新にすっかりとインターバルができてしまいました。

前号までで、快適なコンピューティング環境の構築ならびに発展的維持管理の難しさを私自身のパソコントラブルシューティングを通して、またIT関連業界の実情にも照らしながら言及してきました。

内容的にこの延長上で言及したい事柄が残っていますので、ここで一旦シリーズを改めて、”間違いだらけのネットビジネス”として近く再開させていただきたいと思います。

その後どうなったのかご心配をいただいたり、コラムの続きのご催促といったメールをくださった方々には恐縮いたしております。

おかげさまで現在は、MacintoshおよびWindowsとも万全な状態で日々よく働いてくれています。

Windowsについては、メンテナンス(ディスクチェックやデフラグ)を自動化するフリーウェアが私のシステムと相性が悪かったようで、このアプリケーションの使用を止めたことで回復しました。なかなか素晴らしいフリーウェアで重宝していたのですが・・・。


2003.05.11


メールマガジンを発刊しました!

What's Cool Life!? 第12号を発刊しました。

トップページのMindshooting Essays/What's Cool Life!?のページにて、バックナンバーを含めてご覧いただけます。


2003.05.09

消えた水曜日

GWが明けたのが火曜日だったにもかかわらず、今週私は普段どおり月曜から始まったとばかり思い込んでいて、木曜日の早朝になるまでそのことに気付きませんでした。

日付や曜日の感覚に乏しいのは今に始まったことではありませんが、普段はその日が何日なのかあるいは何曜日なのかが判らなくなるのが常であって、今週のようにその日は木曜であったにもかかわらず水曜と強く思い込んでしまっていたため、水曜日が突然消えてしまったかのような錯覚に陥ってすっかり慌ててしまいました。

顧客とのアポイントといった第三者との予定があったわけではなく、私のプライベートな用事を消えてしまった水曜に予定していただけで実害はなかったのですが、すっかりと丸一日分の遅れが生じてしまったわけで、一人でバタバタと慌ててしまいました。

最近物忘れがとみにひどくなったような気がして、我ながら怖くなることがしばしばです。前日の予定を思い起こそうとしてもなかなか思い出せなかったりするどころか、当日の朝何を食べたかすらも思い出せないこともあってため息をついてしまいます。

ボケる歳でもないのですが、ボケると昔のことは忘れなくとも最近のことから判らなくなってくるといいますし、これはまさに私にあてはまる症状なので、そういう時には日記を書くのが効果的などということを以前何かの番組で見たこともあって、もうこの数年自らの行動記録を毎日つけているのですが、日々思い起こすのに四苦八苦していて、あまり効果があるようには思えません。困ったものです・・・。


2003.05.07


たかがパソコン、されどパソコンVol.35(business & life共通)

私のコンピューティングの実際というディテールにすっかりと入り込んでしまっていましたので、このコラムの主題の一つであるところのコンピューティングを日常のビジネスや生活のうえで如何に最大限に活用していくかということに話題を戻したいと思います。

コンピューティングを主体的かつ積極的に活用していくためには、以下のような事柄に留意していく必要があると思います。

まずは、パソコンや周辺機器は、所詮道具にしかすぎず、決して目的ではないことを強く自覚することが第一です。

コンピューティティングを道具として活用するためには、使用する側に明確なビジョンとその具現化のための具体的なプランが必要です。

昨今のように、私達の日常の暮らしにおいてはもちろんのこと、幅広いありとあらゆる分野においてコンピューティングが日常のビジネスに深く浸透している状況のもと、もはやコンピューティングに私達の需要を実現できないことはないと言っても過言ではないほどに、技術は日進月歩を続けています。

よく私もパソコンでどんなことができるのですかとか、このパソコンに買い替えると何が便利になりますかといったような質問を受けることが多いのですが、このタイプの人達が、ましてや富裕層であればあるほどコンピューティングに躍らされ弄ばれる傾向が高いことは言うまでもありません。(続く)