バックナンバー 0020
●○●第20号●○●
≪お知らせ≫
▼PUBZINEが2月9日を以ってサービスを廃止します。したがって、PUBZINEをご利用の方々は、改めて登録をしていただけませんと、今後このメールマガジン”What's
Cool Life!?”がお手元に届かなくなってしまいます。引き続きご購読をいただける方々は、恐れ入れますが以下の”まぐまぐ”、もしくは自主配信サービスのいずれかに登録をし直していただけますようお願いをいたします。
”まぐまぐ”をご利用の方々も含めまして、この機会に自主配信サービスに移行されることをお勧めします。このメールマガジン”What's Cool Life!?”は、私の生ある限り生涯継続発刊されますし、したがって自主配信サービスが停止されることもありません。
”まぐまぐ”もしくは自主配信サービスへの登録手続きは、こちらでお願いいたします。
http://www.globers.gr.jp/nob/mindshoot_life.html#mm
▼この度、私が関係するGLOBERS'(http://www.globers.gr.jp/)では、新たなGLOBERS'
RELATIONAL WEB-UNITとして、以下の二つのコミュニティーサイトを開設する運びとなり、現在最終準備中です。(いずれもプレオープンという形で、既に利用可能な状況です)
一つは「広く社会に向けて自らをアピールしていくためのサイト"digipromo"」、もう一つは「語学習得を様々な交流から相互に支援し合うためのサイト"e-talking"」です。
デジプロモは、広く一般のネットユーザーに対して無償にてサイトデザインならびにウェブサーバースペースを提供しようとするアグレッシブなプロモーションフリーサポートサイトです。
ご自身のオリジナルウェブサイトをお持ちでない方々はもちろん、この機会に既存のサイトとは別途に新たなセカンドウェブサイトの構築をご検討いただければと思います。あたためてこられた趣味の作品を発表するプライベートウェブスペースとして、また既存の商用サイトのブランチサイトとして、あるいは新規ウェブビジネスのトライアルの場としてなど、公私にまた商用・非商用にかかわらず皆様の自由な発想による積極的なご活用を期待いたしております。もちろん、無償で対応させていただく範囲には限りがございますが、まずはご遠慮なくご相談をいただければ可能な限り善処させていただきます。
現在デジプロモには、私のプライベートフォトブログサイト"CLIPS by
nob"がサンプルとして既に開設されています。HTMLやPHP形式はもちろんのこと、このような最近巷で流行しているインタラクティブなブログ形式によるウェブページづくりにも対応いたしております。
デジプロモのトップページはこちらです。
http://www.digipromo.jp/
このお知らせをご覧になってお申し込みをいただく皆様には、デジプロモウェブページ上の申し込みフォームのお名前の欄に、お名前に続けて"_wcl"を入力しておいていただけましたら、テンプレートによらないフルカスタムデザインを無償にてご提供させていただきます。
さらに、e-talkingは、独学による語学学習を様々な国際的交流を通じて相互に支援し合おうとする目的で開設されるフリーオープンコミュニティーサイトです。
昨今の私達日本人の外国語学習、なかでも英語学習熱の高まりは著しく、スクールはもちろんe-learningサイトや学習ツール販売サイトなどが乱立し、関連メールマガジンなども日々続々と発刊されつつあります。しかしその実質的効果たるや如何に・・・、それは皆様の中にもおいでであろう経験者の方々がご実感されているとおりです。
語学学習に近道なし・・・、もちろん効率の高い実践的な学習法は存在しますが、例えばテープを短時間聞き流すだけで英会話マスターなどと、信じる人が救われれば良いのですが・・・。
主体性と必要性こそが上達の鍵という独学の奨めを理念として、世間の迷える方々を救済すべく立ち上げようとする語学独習サイトが、この"e-talking"です。
フォーラム形式の高機能なBBS(掲示板)というプラットフォームを有するだけのコミュニティーサイトですが、今後アグレッシブなコンテンツを自発的に掲載していく予定ですし、内外の独学指向者一般にサイトを広く開放していきますので、英語学習にご興味をお持ちの方々にご活用いただければ幸いです。
あるいは独学指向者達を支援してくださるような、あるいはグループ学習をされる方々などには、e-talking内に固有のBBSを独自の方針にて開設運営していただくことも可能となっています。
このお知らせをご覧になってメンバー登録していただく方々は、e-talkingサイト上からのご登録の際に、ご使用になるニックネームに続けて"_wcl"を加えておいていただけますと幸いです。適時e-talking関連のご案内メールを差し上げたいと思います。
"e-talking"のトップページは、こちらです。
http://www.e-talking.jp/
@cafe
私は日常的にカフェを頻繁に利用します。
別のコラムのシリーズでも言及しましたが、私は相当なモバイルフリークで、一日の仕事の大半をカフェもしくは移動中の車や交通機関上で済ませてしまいます。
週の大部分を出張に明け暮れるというスタイルも影響してか、自宅(正確には私には自宅はないのですが・・・)や宿泊先の一人の部屋でデスクに向かうよりも、そうした猥雑な環境下でのコンピューティングの方がはるかに効率が高く、アポイントがない日などはカフェのはしごをすることも珍しくはありません。
車や交通機関には条件は問いませんが、カフェはどんなところでもというわけにはいかず、なかなか腰を落ち着けるところは多くはありませんし、折角見つけても私にとっての居心地の良い店はつぶれてしまうことも少なくありませんから、常に様々な足を運ぶ街で気に入った店を探すのも日課の一つになっています。
もともと昨日予定していたアボイントが一日延期になってたまたま一日空いてしまったので、溜まりに溜まった日々の雑務を処理してしまおうと午後からカフェのはしごをしたのですが、二軒目の店にそれぞれに印象的な人々が多く居合わせたのでロムログをしたいと思います。
最近少しずつ増えてきているのですが、そのカフェにはコンセントが設置されている席もあるのです。私が入店した時にはそのテーブル席は満席で、客の全員がまるで図書館のような雰囲気でパソコンと書類を開いていて、ドリンクを置くスペースもないほどでした。
私はそのフロアー全体を見通せる入り口近くのソファーに腰を落ち着けていたのですが、一切会話もないカフェとは思えない静寂さの中、当初約一時間は誰も席を立たずにそれぞれの仕事に没頭していたのです。
他にソファー席もあるのですが、彼らは一体何時間そこにいるのだろうかというそれぞれの空間はまるで自室化してしまっており、靴も脱いでソファーに埋まって読書する女性やネクタイを緩めて寝入ってしまっているサラリーマン、やはりテーブル一杯に教科書やノート、また一人であるにもかかわらずいくつものドリンクやプレートを並べた学生もいましたが、ともかく全員が何らか仕事や勉強に没頭していて、普通にお茶や談笑に来ている人は皆無という異様な雰囲気でした。
それまでの静寂を打ち破って乱入してきたのは、私達賞味期限が迫って焦り気味なの的なOLらしき三人組でした。
私が居た3階のフロアーへの階段の下から、彼女達の甲高い騒がしさが沸き上ってきたかと思いきや、一瞬にしてそのフロアーの空気を変えてしまったのでした。
もともと二人席が空いていただけのほぼ満席状態だったのですが、憤慨した声の調子で「椅子をお借りしま〜す」と彼女達の一人が隣の女性の一人客に声をかけると同時に、その椅子から置かれていたバッグを乱暴に机の女性客が広げたノートの上に置いて、視線すらも合わせず椅子を自分達の席に移動してしまったのです。
彼女達にしてみれば、こんな混雑した状況で一人で椅子を二つも占領するなんて非常識とでも思っての行動なのかは解りませんでしたが、返事をする間もないあっという間の出来事に、女性客も驚いているのか憤慨しているのか、彼女達をしげしげと見つめていました。
OLらしき三人組は、もうどこ吹く風といった様子で、ずっと続いていたらしい大声の会話にすぐにまた没頭してしまったのでした。
彼女達の会話たるや、それを大声で周囲の全員に聞かせて恥じらいはないのかという、私を含めて聞いている側が赤面してしまうような専ら異性に関しての直接的な内容でした。
前夜は合コンだったらしく、お持ち帰り帰られ後のそれぞれの顛末のディテール、お互いの相手に目移りしているらしくお試し交換の企み、キープ君リストに加える加えない、次の合コンの段取りについてなどなど、また異性目当てでアルコールドリンクをほとんど彼女達は消費しないにもかかわらず、呑ん兵衛達の酒代まで持たされたのではたまらないということで、ドリンクとフードのレシートを分けさせるという実利に徹した話題には、なるほどと妙に感心してしまったりもしました。
それにしても、よくも飽きずにそしてまた懲りずに、日常のエネルギーの大半をこんな彼女達の日々の繰り返しに注ぎ続けることができるものだと感心しつつも呆れ返りながら、私はイヤーホーンの音量を上げてラップトップのモニターとの対話に戻っていったのです。
しばらくの間音楽とモニターとの対話に没頭していると、鼻の奥に刺さり喉にからみつくような臭気に気付いて顔をあげると、OL三人組に追い払われてしまったかのようにすっかりと客が入れ替わってしまっていて、何時の間にか店は喧騒に包まれていました。
相変わらず三人組はけたたましくはしゃいでおり、隣席の制服姿ながらもそのまま夜の店に出るのかと思えるほどにヘビーなメイクがアンバランスな女子校生にすらも顔をしかめられてしまう有り様です。
驚いたことに漂う臭気の元は、私の前の席の二人連れの一人私に背を向けている側の女性からでした。洩れ聞こえてきた二人の会話によれば、彼女達は家出中の身の上らしく、向こう側の私の方を向いている二十歳前後に見受けられる女性から、手前の臭気の元である女性が、インターネットを活用して日銭を稼ぐノウハウを学んでいる様子でした。
伝授する側の女性は、ネットアイドルとして写真撮影のモデルや会員制のオフ会を企画するなどして相応な収入があるらしく、家出中とは言えども身なりもしっかりとしていましたし、住む部屋のスポンサーもあるようなのです。ルックスはややロリータチックでコケティッシュなイメージ、ネットアイドルと言われればなるほどと納得できるような美人でした。
一方の臭気の元の女性はまだ高校生、へたをすればまだ中学生かもしれない年頃のあどけない少女でした。彼女は、公園やビルの階段などを普段ねぐらにしたり、声をかけてくる男達にたかったり、万引きや食い逃げを常習としているような荒んだ生活に明け暮れている様子で、その日も初対面のネットアイドルという女性に万引きをしようとしたところをたしなめられ、そのままその店に連れてこられたようでした。
臭気の元の少女の日々の破天荒な生活ぶりも、またネットアイドルの女性のネットビジネスの実情も、まったく異なる視点からながらも本当にそのように暮らしていけるものなのだと、これにも妙に私は感心させられてしまったのでした。
それから臭気の元の少女は、ネットアイドルの女性の暮らす部屋にその夜は泊めてもらい、お風呂と着のみ着のままの衣服の洗濯をさせてもらえることになったらしく、私も他人事とはいえどもほっとすることができました。外見には似つかわしくなく面倒見の良い女性なんだと、ネットアイドルの女性にとても感心してしまいました。
余談ですが、私がまだ二十歳前の学生の頃、一人暮らしのアパートの窓から出入りしていた猫がそのまま居着いてしまうのと同様に(それも日毎に増えていくのです)、何度か道に落ちていた少女を拾って帰ってしばらくペットのように面倒を見たり、飲み屋で知り合ったような宿無し(とりあえず屋根のある何処かに泊まるので、昨今の家出少年少女やホームレスとは若干ニュアンスは違いますが・・・)が数日滞在したりすることもありました。そんな当時の日々を想い出しつつも、また現在の私自身がまさにそんな当時の彼等と同様な放浪者としての日々を過ごしているのですから、傍から見れば大差ない彼女達と私という同類がたまたま隣り合わせているのだという事実に改めて気付かされたのでした。
彼女達の会話の端々から窺い知る、その夜の宿探しや援助交際を求めるなどといった少女達のメッセージが出会い系サイトの掲示板などに無数に書き込まれ、またそれらに応える相当数の心ない大人達が存在し、そんな少女達の不健全な閉塞的生活を幇助(ほうじょ)しているという事実は、ただただ嘆かわしい限りです。
たまたままた数日前の新聞にも、出会い系サイトを通して呼び出したそうした心ない大人達のまた気弱そうな輩達から、仲間の少年達と結託して金品を脅し取っていた少女達が逮捕されたという記事が掲載されていました。
もともと金銭目的での買春行為に安易に走ってしまうような少女達に物事の道理に耳を貸す下地は希薄でしょうし、内心では軽蔑あるいは嫌悪の対象でしかないのであろうそうした心ない大人達を少々脅したところで、おそらくそれほどの罪の意識すらも感じてはいないのではないでしょうか。少なくとも大人の側も後ろめたさからなかなか被害を届けられないでしょうから、こうした事件はほんの氷山の一角、実際には日々いたるところで繰り返されているのでしょう。
ネットアイドルの女性も臭気の元の少女に対して、貴女達のやっていることの合法的延長といったような表現でそれから教えようとするネットビジネスのノウハウを説明していました。感心するやら呆れるやら情けないやらです。
既に空腹に堪えかねていたのでしょうか、臭気の元の少女の落ち着きのない様子に促されるように二人が立ち上がるとすぐ入れ代わりに腰を下ろしたのは、外国人と日本人の若い男性の二人組でした。
日本人の男性はまだ大学生らしく、午前中の講義が終ってから図書館に寄ってこんな本を借りてきただの、昼食は親子丼だっただの、それからスポーツジムに行って先程まで泳いでいただのと細々と話していて、それをまたいちいち相槌を打ちながら若干年長に見受けられるアメリカ人男性が楽しそうに聞いているのです。
まるで女性同士の他愛のない会話のようで、少々不自然な印象からゲイのカップルなのかと思いきや、それは英語の個人レッスンだったのです。流暢とは言えないまでも、必要充分な会話力でしたから、レッスンなど彼には不要なのではないかと思い始めた頃、また立て続けに外国人男性と日本人女性のカップルが二組入ってきて、驚いたことに彼らのいずれも英会話の個人レッスンを始めたので、今度はカフェが英会話教室に早変わりをしてしまったのでした。
先頃まで語学教室のコンサルティングをしていた関係から、スクールに通わないでそうした個人レッスンが巷では流行しているという知識はあったのですが、実際にそれも三組も同時に目のあたりにしたのは初めてでしたし、興味深く観察するうちにへたなスクールに通うよりはずっとプラクティカルかつリーズナブルな英語習得方法に思えました。
それから待ち合わせをすることになっている人からの電話はまだなかったのですが、そうしたユニークなカフェの客の面々についつい意識を奪われてしまい、その日そこで過ごした時間の割には仕事もさほどはかどっていませんでしたから、もう切り上げて場所を変えようと帰り支度を始めていたところで、その極め付きの二人が現れたのでした。
私よりもいくつか若いように見受けられるサラリーマン風の男性とまた制服姿の女子高生の見るからに怪しい二人連れだったのですが、やはり案の定見たままの援助交際の条件を交渉中の二人でした。
つい今しがた駅前で声をかけたばかりらしい心無いサラリーマンもサラリーマンならば、また簡単にのこのこ連れられてくる女子高生も女子高生・・・、このまま一時間ただ話をして5千円、ホテルでの2時間で3万円という条件を呈示するサラリーマンに対して、女子高生はそれぞれ1万円と5万円だなどと駆け引きをしているのです。呆れるやら腹立たしいやら、開いた口がふさがらず、知り及んでしまった以上見て見ぬ振りもできず、私もどう言動すればよいのか考え込んでしまいました。
普段であれば、誘う方も誘われる方も自ら懲りるまでは馬の耳に念仏、放置して関わらない主義だったのですが、いざ実際に目のあたりにしてしまうと、さすがにしかとしてそのまま立ち去るわけにはいかなかったのです。
その時の気分としては、自ら直接割って入っていかがわしい交渉を決裂させてしまいたかったのですが、冷静にそんな場面を想定してみてもとても得策とは思えず迷っていると、待ち人からの電話連絡がありそのカフェまで出向いてくれることになりました。
その電話を済ませて、結局私は本人達にも聞こえるように警察に通報してしまったのですが、聞こえなかったのかあるいは無視しているのか、本人達が逃げ出す様子はもちろんこれといって何らの反応もなく、そのうちに待ち人が先にカフェに着いてしまいました。
すぐに対処するとの110番の応対でしたし、それからの顛末を確認したい誘惑にもかられたのですが、私達はそのカフェを後にしました。駅に向かって歩いていると、この件に関してなのかも定かではありませんが、前方から小走りにやってた警察官二人とすれ違いました。
いやはやそんなこんなのほとんど仕事に集中できない、居合わせた他の客の観察に終始してしまったある夕方のカフェでのロムログでした。
≪EPISODE≫
▼Series (2) 〜日常の風景〜
File #2-15
自分を信じる人だけが救われる Vol.15
/四十にして立てるか・・・その4
→上記が長編に及びましたので、エピソードは次号に順延させていただきます。