DAILY SHORT COLUMNS - Daily Business -

 
2004.10.28 ■家庭のパソコンにはウイルスやスパイウェアがいっぱい

 ワシントン発――家庭のインターネット・ユーザーは、自分たちが思っているほどオンラインで安全な状態にはないことが、研究者チームによる全米規模の調査で明らかになった。大半の一般ユーザーが自宅のコンピューターについて、ファイアーウォールによる防御を行なわず、アンチウイルス・ソフトのアップデートを怠り、数多くのスパイウェア・プログラムが実行されているのに気づいていないという。

 米国政府の支援によって行なわれた今回の調査で、困り果てたある家庭ユーザーのコンピューターを研究者が調べたところ、1000を超えるスパイウェア・プログラムが実行されていた。

 バージニア州サウスライディングに住む個人トレーナー、ビル・マインズさんも似たようなものだ。家族で3年使っている米デル社製コンピューターは、ウイルスに感染していたうえ、600を超えるスパイウェアがマインズさんのオンライン行動をこっそり監視していたことがわかったのだ。

 「びっくりした。知らないうちにたくさんのウイルスやその他もろもろが入り込んでいたんだ。こんなことが起こるなんて思いもよらなかった」とマインズさんは話す。

 インターネットにはつねに、危険な界隈や暗い路地ともいうべき部分がある。しかし、ハッカーやウイルス、スパムメール、スパイウェアなどによる手の込んだ脅威が増えている現状では、コンピューター・ユーザーがどれだけオンラインで慎重に行動しても問題は付いて回る。

 技術業界もその痛みを感じている。

 いら立つ顧客からのサポートを求める電話に対応するための多額の費用――そして、失望した消費者が新製品を買わなくなることに対する恐れ――に突き動かされ、インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)やソフトウェア企業、コンピューター・メーカーは、顧客に脅威を認識してもらい、自衛のためのツールを提供する取り組みを続けている。

 それでもコンピューター・ユーザーの多くは、直面する危険に対して驚くほど無防備に見える。

 今回の調査(PDFファイル)は25日(米国時間)に米アメリカ・オンライン(AOL)社と全米サイバー・セキュリティー連盟(NCSA)が発表したもの。調査によると、12州に住む329人の成人の77%が、自分たちはオンラインの脅威を受ける心配はないと電話アンケートで断言したという。これとほぼ同じ割合の人々が、ウイルスやハッカーに対してはとくに、すでに防御を済ませていると確信していた。

 専門家がこれらの家庭を訪問してコンピューターを調べたところ、対象者の3分の2が、7日間以上更新していないアンチウイルス・ソフトを使用していることが判明した。

 さらにこれらのコンピューター・ユーザーの3分の2が、防御用のファイアーウォール・プログラムを一切使っていなかったうえ、調査したコンピューターの80%でスパイウェアが見つかった。

 調査に参加したユーザーはすべて、独立した市場分析団体によって22の市や町で選ばれたAOL社の契約者だった。

 NCSAは非営利団体で、資金提供は米国土安全保障省と米連邦取引委員会(FTC)から、さらには米シスコシステムズ社、米マイクロソフト社、米イーベイ社、デル社といったトップクラスの技術企業からも受けている。

 NCSAのケン・ワトソン代表は、一般ユーザーは認識不足のうえに専門的アドバイスの不足のせいで、自分たちのコンピューターの安全を守ることについて問題を抱えていると指摘する。「自分が車に轢かれるとは思わないのと同様に、コンピューター攻撃が自分に降りかかるとは考えない」とワトソン代表は語る。

 米商務省のダニエル・W・カプリオ副次官補(技術政策担当)も同じ意見だ。「認識に大きな相違がある。明らかに混乱がある。家庭ユーザーや小規模企業が情報や実用的なヒントを利用できるよう、われわれがいっそう努力する必要がある」

 バージニア州ランズダウンに住むインテリア・デザイナーのウェンディ・アビーノさんによると、調査担当者たちは、アビーノさんが借りていたノートパソコンで14のスパイウェア・プログラムを発見し、インストールされていた50ドルのアンチウイルス・ソフトについては、ウイルスに感染していないかどうかをチェックするため最低月1回コンピューターをスキャンする設定が正しく行なわれていないことに気づいたという。

 「おかしなチャットルームは訪問しないし、怪しいメールは開けない」とアビーノさんは話す。「メールに『ホットな女の子』なんてあれば削除している。何もかも正しいやり方で処理しているのに、どうやってコンピューターに入りこむのだろう?」

 インストールしていた市販のアンチウイルスとファイアーウォールのプログラムが、どんな種類のオンラインの脅威からも守ってくれると信じ込まされていた、とアビーノさんは不満を訴えた。たいていのアンチウイルスやファイアーウォールのプログラムでは、一般的なタイプのスパイウェアは検出されないのだ。

 ワシントンに本拠を置く民間の自由擁護団体『民主主義と技術のためのセンター』(CDT)でインターネットの脅威を担当する専門家、アリ・シュウォーツ氏は「平均的な家庭ユーザーには複雑すぎる」と語る。

 「そこまでする必要はないだろうと考える一般ユーザーに対して、何もかも一般ユーザーが悪いとする企業。あらゆる場面で責任の意識が欠けている。相手のせいだと非難しあってばかりだ」とシュウォーツ氏は指摘する。

 マイクロソフト社のビル・ゲイツ会長兼最高ソフトウェア開発責任者(CSA)によると、同社はウィンドウズの最新バージョンを使用する顧客のセキュリティーを向上させるために最近行なったアップグレードに、10億ドル近くを費やしたという。

 AOL社は今月、大手新聞数紙に全面広告を出し、契約者に対してセキュリティーの向上を約束した。デル社は、顧客が自分でスパイウェアを検出して削除する方法を教えるキャンペーンを開始した。

 政府の関与も進んでいる。

 FTCは今月に入ってスパイウェアに対する初の連邦裁判所訴訟を起こした。下院ではスパイウェアに対する刑事罰と罰金を増やすための法案2つを圧倒的多数で可決した。国土安全保障省は、家庭のインターネット・ユーザーが安全を守るための電子メールに関する助言を無料で提供している。

[WiredNews日本語版:平井眞弓/高森郁哉]


2004.10.27

■スパイウエア:
PC1台に平均93件、最悪は1059件 米調査

 全米サイバー・セキュリティー連盟(NCSA)は25日(米国時間)、米国のインターネット・ユーザー329人のパソコンを調べたところ、1台当たり平均93件のスパイウエアまたはアドウエアが見つかったと発表した。最悪の例では1台から1059件も発見されたという。

 NCSAは官民合同の啓発団体で、パソコン・ユーザーのセキュリティー意識調査を実施した。その結果、80%の人のパソコンからスパイウエアまたはアドウエアが見つかったが、そのうち89%は全く気づいていなかった。

 スパイウエアなどが見つかったパソコンは、ポップアップ広告が表示される回数が週平均31回で、他の人の15回を大きく上回った。最も大量に見つかったスパイウエアまたはアドウエアはAlexaで、Claria(旧Gator)、WhenUがそれに続いた。【南 優人/Infostand】

NCSAの発表(PDF)
http://www.staysafeonline.info/news/safety_study_v04.pdf

〔毎日新聞〕


2004.10.25

ブログ荒らしに辟易Vol.8

こうした他人の迷惑など顧みない利己的な輩達の存在は、何もウェブの世界に限ったことではなく、もちろん現実世界にも同様に広くはびこっています。しかしウェブという媒体の性格上、彼らが暗躍の場を拡げていき易いことは否定しづらいところですし、彼らほど悪質ではないにせよ、現実世界では起業や事業拡大の機会を得にくいような人達のウェブ上の活躍が、様々なウェブの技術革新を牽引してきていることも紛れもない事実なのです。

また、この数年で国内はもとより一気にブロードバンド化が進んだ主因も、何と言ってもポルノサイトの存在の影響であると言われています。

ネット上を飛び交うスパムメールやポルノ画像や動画などが占めるトラフィックの割合は、ウェブ全体のトラフィックの約2/3にも及ぶというのですから事態は深刻です。

半面ウェブビジネスオンリーというだけでなく、現実世界でのビジネスとウェブビジネスを連携あるいは融合させた健全で信頼のおける優良事業も日々生まれてきてはいるものの、ウェブの持つどうしても陰湿で不健全なイメージを払拭するまでにはまだ至ってはいないようです。

このところのプロ野球界の球団買収に名乗りをあげたIT関連企業3社に対するそれぞれ他球団オーナーや社会一般の認識の持ち様は、そのままウェブの世界の実情に対してのそれに通じているように思われます。(続く)


2004.10.21

■電話加入権:
返金せず廃止 NTTと国民認識と溝

 NTTの施設設置負担金(電話加入権)が2011年をめどに廃止される。情報通信審議会は19日、NTT東日本、西日本が料金戦略の中で廃止を検討する場合は容認する答申をまとめた。国民は長年、電話加入権を資産と認識してきたが、NTTは「一時金であり返金には応じない」との立場だ。国民の保有する加入権の総額は、現在の定価で計算すると、約4兆3200億円(税抜き)に達する。払ったお金はどうなったのか。一切返金に応じないというNTTの方針に反発が広がりつつある。(Mainichi Shimbun)

■■政府、「債権」の弁明に矛盾

 麻生太郎総務相は19日の国会で、「電話加入権は債権にあたるが、株のようなもので、値段は市場で変わる」と答弁した。株式と同じように、いったんNTTの手を離れると、さまざまな外部要因で値段が上がりもすれば下がりもするという意味と見られる。実際、電話設置が困難だった時代には市場で数十万円の値をつけたこともあった。しかし、債権なら企業が倒産しない限り、企業側が勝手に無価値と宣言などできないはずで、答弁は矛盾をはらんでいる。

 電話加入権は、電話を新たに設置する際に必要なものとされてきた。旧電電公社時代には「設備料」の名目で徴収し、民営化されNTTになった85年に「施設設置負担金」と名前を変え、7万2000円(税抜き)の定価が設定された。戦後、全国の電話網建設で多額の設備投資が必要だったため、電話局から利用者宅までの回線(加入者線)の一部は利用者に負担してもらおうという趣旨で、徴収してきた。

 加入者は電話を使わなくなった場合、NTTで休止手続きを取れば転売も可能。新たな利用希望者が業者を通じて加入権を買うと、「負担金」を払わなくても電話が使える。また、「電話加入権質に関する臨時特例法」で質権も認めており、02年度末で39万件の質権が設定されている。

 しかし、携帯電話の普及などで固定電話を新たに設置する人は減った。加入権を扱う業者の販売価格も1万円前後、平均買い取り価格は5000円を割り込む水準に落ち込んでいる。

 NTTは将来、インターネットを活用した割安なIP網を使った電話に既存電話網を切り替えていく方針だ。当然、その段階で旧来の電話システムに絡む権利関係は見直されるはずだった。

 だが、IP化が進まないうちに、KDDIや日本テレコムなどが、加入権不要の固定電話に参入を表明し、固定電話も基本料金を含めた本格的な競争時代に突入した。NTT東西は来年1月から基本料金を初めて値下げするが、加入権の存在が新規顧客獲得のじゃまになるのは確実だった。

 KDDIや日本テレコムは今冬、加入権のいらない固定電話サービスをスタートさせる。基本料金や通話料金も割安なため、NTTから乗り換える客が増えると見られる。このため、既存加入者に不満を持たれながらも、NTTは、廃止せざるを得ない状況に追い込まれたというのが実情だ。

■■「財産」と宣伝したのに--売却も不可能

 電話加入権廃止で個人がこうむる最大のデメリットは、電話を休止した後、加入権を売却できなくなることだ。廃止になれば、電話加入権の取扱業者は、買い取りをやめる。

 答申では、かつてNTTが「財産になります」と宣伝して、加入権の必要性をアピールしていたことも明らかにされた。審議会には、60人もの個人から「一般国民が損をするのは納得できない」「NTTの都合を押し付けないでほしい」などと廃止反対の意見書が寄せられた。

 加入権が廃止された場合、新規加入者と既存契約の加入者との間で不公平感が出るのも確実だ。加入権取引業者で作る「全日本電話取引業協会」の武田貢事務局長は「既存の加入者と何らかの差をつける必要がある」と指摘し、NTT東西に改善を求めていく方針だ。

 NTTは実は、加入権が不要な「ライトプラン」を02年に導入している。加入権分を考慮して基本料を1カ月当たり672円高く設定しているため、長く使うと割高になるが、単身赴任などでの短期利用に適し、初期費用が安く済む点などから、現在は新規加入者の9割がライトプランを選択しているという。同プラン導入は、加入権廃止の布石だったとの見方も有力だ。

■■経済界「やむなし」--関連業者は「国家的詐欺」

 NTT加入権が廃止されれば、資産性が失われて、企業業績にも影響を及ぼすことになる。ただ、廃止論が浮上してから時間が経過しており、この間に独自に損失処理に取り組んだ企業や、資産全体に占める加入権の割合が小さい企業もあり、経済界からは「やむを得ない」との声も聞かれる。一方で、大量の電話回線を使う企業やレンタル回線業者、電話加入権取扱業者などにはダメージが大きく、廃止に反発している。

 企業にとって、電話加入権は会計上、価値が劣化しない「非減価償却資産」と扱われ、貸借対照表の「無形固定資産」に計上されていた。今後損失処理を迫られることになるため、この日の答申では、損失を無税償却できるよう税法上の措置が盛り込まれた。

 経済同友会の北城恪太郎代表幹事は19日の会見で「加入権の経済的な価値はなくなっている。(保有者は)お金を返してほしいと思うだろうが難しい」と理解を示した。日本経団連も8月に「廃止は妥当」との見解を示している。「全体の資産規模からいえば加入権の割合は少ない。廃止の方針や会計処理の方法が決まったら、淡々と対応する予定」(日立製作所)と冷静に受け止める企業もある。

 トヨタ自動車は「加入時に資産でなく費用として処理した」として影響は全くないという。ヤマト運輸は、04年3月期決算で加入権の資産価値を市場での取引価格に見直し、15億円の特別損失を計上した。

 一方、無人遠隔監視システムなどで大量の回線を使用しているセコムは、04年3月期の単独決算で電話加入権を約21億3400万円(総資産の0.35%)計上。電話代節約のためIP電話などの導入を進めているが「通信速度が不安定なIP電話はセキュリティーシステムにはなじまず、固定電話回線に頼らざるを得ない」と困惑の表情。

 電話加入権の売買をする業者には「加入権廃止のリスクを考え買い取りを中止したが、赤字に転落した。廃業に追い込まれてしまうのではないかと不安だ」と訴える声もある。電話レンタル業者、日本テレシス(福井市)の前波亨哉会長は「財産に見せかけて売れるだけ売ったらただにする国家的詐欺商法だ」と反発している。

〔毎日新聞〕


2004.10.19

■中国企業500強 「世界500社」との格差


 中国企業連合会と中国企業家協会は2002年以降、国内企業の番付「中国企業500強」を毎年発表している。ここでは、「中国企業500強」にランクインした企業の発展・変化を追うとともに、米フォーチュン誌の「世界企業500社」にランクインした企業との優位性、問題、格差などの相違を分析し、「中国企業500強」入りした企業が目指すべき方向性を提示する。

 <フォーチュン誌「世界企業500社」との格差>

 「中国企業500強(2004年発表)」入りした企業の資産総額の合計は、フォーチュン誌の「世界企業500社」の5.61%にとどまっている。同様に、売上高は7.3%、利益は5.22%、1人あたり売上高は16.23%、1人あたり利益は11.62%、1人あたり資産は12.46%。

 しかし、両者の隔たりは単なる量的な差ではなく、より重要なのは、企業の資質、経営能力、競争力の差といった問題だ。

 ▽粗放的な経営スタイル、非合理的な構造

 中国は、同じGDPを生み出すために消費するエネルギー量が、日本の10倍、米国の5倍、カナダの3倍に達する。GDPに対する金属資源の消費量は世界平均の2〜4倍、汚水排出量は先進国の4倍。工業生産額に対する固形廃棄物の量は先進国の10倍を超える。

 粗放的な経営と低効率は、中国経済の産業構造における突出した問題も反映している。過去3年間に「中国企業500強」にランクインした企業のうち、第3次産業はわずか20%前後に過ぎず、米国の60%を大きく下回っている。

 ▽貧弱な技術開発能力

 技術開発能力における中国と先進国の格差は、主に次の面に現れている。

 (1)自主開発能力の欠如、国外技術への過度な依存体質:電気通信設備、自動車などの産業は、「立ち遅れる→技術導入→再び立ち遅れる→再び技術導入」と「低能力→依存→さらに依存→さらなる能力低下」という二重の悪循環に陥っている。

 (2)低い研究開発投資:2003年の重点企業の研究開発費は売上高のわずか1%で、先進国の3-5%という水準には遠く及ばない。

 (3)知的財産権に対する意識の低さ:特許など知的財産の申請や保護が十分と言えない。

 ▽低い国際化水準

 企業の国際化の度合いは(1)総売上高に占める海外市場の比率(2)海外市場における販売エリアの広さ(3)海外人材の雇用率――の3つの指標で示される。このうち(1)については、世界の上位100社では、海外売上の割合が50%を超える企業が半数以上を占める。(3)については、「世界企業500社」では役員の40%以上が外国人で、経営陣の多くも国際的な顔ぶれだ。多国籍企業の経営陣のうち、海外勤務経験者の割合は米国で32%、日本で19%、欧州で47%に達する。こうした3つの指標の基準をすべて満たす大企業は、中国にはほとんどない。

 ▽独占業種の企業が今も主導的地位


 「世界企業500社」の上位を占めるのがいずれも競争業種の企業であるのに対し、「中国企業500強」は、上位10社がいずれも独占業種の企業で占められている。これは国内の大企業の発展が、現在も「政府頼み」の体質を引きずっていることを意味し、市場競争の中で地位を確立した世界企業に比べ、全体的な資質の面で大きな格差がある。

 こうした格差は、あくまで表面的なものであり、より深層には企業の体制・システムの問題がある。2004年に「中国企業500強」入りした企業のうち、国有および国有持ち株企業が72%を占め、中央政府直轄の大企業189社からだけで、50社余りがランクインしている。これら大型の国有企業では、現代的な企業制度がまだ確立されておらず、一部の大企業では制度改革に関する法的な位置付けも不明確だ。また、一部国有企業は、経営構造は、国内外の市場競争における新情勢に適応できていない。行政への従属関係など体制・政策による制約も、企業の買収・再編を難しくしており、企業の再編と資産構造の調整にも、さまざまな障害がある。

〔朝日新聞〕


2004.10.18

ブログ荒らしに辟易Vol.7

それにしても、ほぼすべてのネットユーザーに日々送り付けられるスパムメール、前述のようなブログやBBSなどへのスパムコメント、さらに悪質なウィルスやハッキング、また最近ではスパイウェアの蔓延など、ウェブ上での秘匿性を逆手にとった様々な迷惑行為は日々増長を続けています。

半年ほど前に、私はスパイウェア除去アプリケーションを導入したのですが、初めてスキャンをかけた際には50種類近くものスパイウェアがシステムに潜んでいたことが判り驚嘆してしまいました。

以来ほぼ毎日スキャンと除去を繰り返しているわけですが、フリーウェアをダウンロードをしない、またニュースサイトなど社会的に認知されているようなサイト以外いかがわしいサイトなどには特にアクセスすることのない私のビジネスモバイルPCにすら、日々数種類のスパイウェアが何らかの形で送り込まれてきます。

ウィルス対策アプリケーションが、本物のウィルスや外部からの不正アクセス以外にも時折作動してしまうように、必ずしもスパイウェア対策アプリケーションが認知するプログラムのすべてが悪質なスパイウェアではないと仮定をしたとしても、やはり毎日の除去作業は欠かせませんし、その作業にかかる労力は実にばかにはならないのです。(続く)


2004.10.15

ブログ荒らしに辟易Vol.6

それにしても、世界の津々浦々まで、他人の迷惑など顧みない厚顔無恥な輩達がはびこっているのですね。

今回のフォトブログサイトは、私にとっても初めて英語による運営をしていることもあって、サイトへも、ー個人はもとより、政府機関、教育機関、営利組織、非営利組織、ネットワーク組織、軍隊までと幅広く、また国としても、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、イタリア、ドイツ、スイス、オランダ、ハンガリー、ポルトガル、スロバキア、オーストリア、オーストラリア、ニュージーランド、フィンランド、ノルウェー、デンマーク、スウェーデン、ベルギー、ルーマニア、インドネシア、タイ、香港、シンガポール、ブラジル、メキシコ、ペルー、イスラエル、エクアドル、リトアニア、西サモア、ココスキーリング諸島などと、このサイトをはじめとするこれまでの日本語の各種サイトとは比べようもなく国際的なアクセスがあります。

このサイトのプロローグが終了する頃を目安として、今後のウェブならではの英語による運営の有要性をあらためて実感することができました。(続く)


2004.10.14

ブログ荒らしに辟易Vol.5

またなかなか続きが書けないで時を過ごすうちに、私のフォトブログサイトのプログラムのバージョンも最新になりました。

おかげでスパムコメントの削除も一括してできるようになりましたし、何より有難いのは、運営者の私が承認しないかぎりはサイト自体には第三者のコメントが反映されないようになったということです。

この機能のおかげで、以前は書き込み通知がある度に時を置かずして削除対応をとらざるをえなかったのですが、今では少々溜めて数日に一度程度のゆっくりした対応であっても問題がなくなったことで、私の精神的ストレスは大幅に軽減されてきています。(続く)


2004.10.10


■原子力産業揺らぐ土台 老朽化で膨らむ維持費  
 効率重視、安全に「影」/需要鈍化、新設進まず/研究者数、10年で半減


 配管の破損で11人の死傷者を出した8月の関西電力美浜原子力発電所の事故について、国は「管理のずさんさ」を指摘した。自由化が進み、電力業界が効率重視の姿勢を強めていることが背景、との見方もある。だが今後、日本の原発は本格的な老朽化の時代を迎え、維持・保安コストは膨らんでいく。電力業界の原発運営は、安全性と経済性の両立を迫られている。(五郎丸健一、林尚行、立松真文)

 「関電の外注管理が、ずさんだった」

 9月下旬に国の原子力安全・保安院がまとめた事故の中間報告書は、配管の点検に対する関電の管理ミスを挙げた。点検業務は当初、原発建設にあたった三菱重工業に委託していたが、90年代半ばに関電系列の下請け会社に切り替えた。「コスト削減が目的ではない」と関電は強調するが、人件費は3割安くなった。

 電力業界は原発の「安全」を訴えるPR施設の建設などを手厚くしてきたが、美浜では、原発そのもので、配管の肉厚測定という基本作業がおろそかにされていた。

 電力自由化で、原発でもコスト重視が強まっている。2年前に発覚した東京電力のトラブル隠しでは、計画外の原発の停止を嫌う「事なかれ主義」が批判された。技術評論家の桜井淳さんは「経済性を優先し、無理をした点で、関電の事故と東電問題は根が同じ」とみる。

 原発は一定の出力で運転し続けるほど低コストになる。逆に、1基を1日止めると費用が1億円増えると言われる。このため電力各社は、13カ月ごとに実施する定期検査の期間を縮めるため、作業用クレーンの性能向上、予備部品の用意など工夫を重ねてきた。その結果、20年前は90日程度かかっていたのが、いまは30〜40日になった。

 電力業界は「効率化は、あくまでも安全確保が前提」と言う。だが原発は、高度な専門技術が詰まった巨大設備だ。運転効率化のための工夫が、どこまで安全上問題ないのかを、客観的に示すのは難しい。

 日本では数基の原子炉が運転開始から30年を超え、当初想定した運転期間に達している。それでも、保守管理を徹底しながら最長60年程度まで運転を続けようというのがいまの流れ。原発の老朽化対策の重みは今後、増す一方だ。

 「古くなると点検項目が増え、経済性は悪くなる」と、ある電力会社の原子力担当幹部は話す。

 安全を保つためには、原発の維持コストの増大は避けられない。

●人材育成、産学で模索

 安全性と経済性の両立にはさらなる技術開発が必要だ。ただ、それを支える関連産業の「土台」にも危うさが忍び寄る。

 原発の新規立地が難しくなり、電力需要の伸びも鈍化しているので、電力業界は巨額の初期投資が要る原発新設に慎重になっている。建設ペースは急速に落ち込み、計画撤回も相次ぐ。

 原発関連メーカーからは「このままだと、原子力部門を維持できなくなる」との声も聞かれる。国内の原子炉の4割を製造した三菱重工は、昨年着工した北海道電力の泊3号機で、7年ぶりに新設プラントを手がけるが、その先の受注見通しは立っていない。

 各メーカーは中国や欧米での受注に躍起だが、経験の乏しい海外で順調に受注できるかどうかははっきりしない。三菱重工の浦谷良美常務は「組織を縮小すると技術力を維持できなくなる。その伝承のためにも仕事を確保したい」と話す。

 日本原子力産業会議(原産会議)によると、電力会社以外で原子力産業に従事する技術者数はこの10年間も、約2万7千人前後を保っている。その内訳は保守サービス部門が大きく増える一方、将来の技術開発に携わる研究者は半減した。

 原子力工学はかつて、大学の理系の「花形」だったが、近年は人気が下がり、学科名から「原子力」を外す例も目立つ。

 原産会議は昨年、原子力技術者の育成に関する提言をまとめた。電力会社はそれに沿って産学連携を模索する。関電は今年4月に福井大に研究者を教員として派遣。7月には東北電力が東北大に寄付口座を開設した。

 人材の育成について、「特別な対策は考えていない」(資源エネルギー庁原子力政策課)などと「官」の動きは鈍い。ある電力会社の役員は「原子力の課題について、国は民間に任せ、厄介なことにはかかわりたくないという姿勢が目に付く」と不満を漏らす。

 原子力はいま、日本の電力需要の3割を担う。産業としての成長性が先細るなかで、より厳格な安全管理をするには、どうしたらいいのか。そうした現実を見据えた官民論議が、先送りできなくなっている。

〔朝日新聞〕