DAILY SHORT COLUMNS - Daily Life - |
2004.10.20 |
皇太子さま、おひとりの登山Vol.4 長い歴史の風雪に堪えて存在しつづける事柄は、それだけ多くの人々に尊重され続けてきたことを意味しているわけですから、私自身の理解が及ばない、あるいは価値観の尺度に照らして短いものであったとしても、私はまずはあるがままに尊重するよう心がけてはいます。 しかし、かといってそれらの過去の在り様のすべてを善しとしてしまうのではなく、時代の流れとそれに伴う社会状況や人々の価値観の変遷を鑑みてのリファインはやはり必要だと思うのです。 伝統的な工芸技術や文化様式などはともかくとしても、皇族の在り様についてはそこに人が事実生活をしているのです。皇太子様とて、運命とは言え皇族としてお生まれになったことは、決してご自身の選択によるものではありませんし、ご自身の決断とは言えども、ご成婚以来雅子さまの孤群奮闘ぶりとこのところのご病気の背景を拝察するにつけても、皇室の在り様の実情には胸が痛みます。 人は誰も自らの人生の在り様を選択決定できる権利を有しているのですから、税金で暮らす労働の義務のない皇族とて人である以上は、もう少し個人の自由が尊重されて然るべきだと思います。(続く) |
2004.10.19 |
■中国の貧困人口、2億5千万人から2900万人に減少 中国政府は「国際貧困撲滅デー」に当たる17日、農村部の「貧困人口」が1978年の2億5千万人から2003年末には2900万に減少したことを発表した。農村部の人口総数に占める貧困人口の比率は、30.7%から3%前後に減少した。 中国の貧困撲滅活動には、次の成果が見られる。 (1)貧困対策の重点に指定されている県592カ所では昨年、農村人口1人当たりの純所得が5.8%増加し、全国の増加率を1.5ポイント上回った。貧困撲滅活動が新段階に入ってから、貧困地域の所得増加率が全国の水準を初めて上回った。 (2)1986年から2003年までの18年間で、優先的に保護される耕地「基本農田」計2688万畝(1畝は15分の1ヘクタール)を整備し、7459万人分の飲用水の問題を解決した。貧困地域の村のうち、道路が開通している比率は71.7%、電気は92.1%、電話は49.1%、ラジオ・テレビは82.7%。 (3)貧困地域における学校の運営条件も大きく改善し、学齢児童の中途退学率は7.8%に下がった。行政村の70.2%に保健センターが設置され、医師・薬の不足も大きく改善された。農業技術が大量に普及し、科学的栽培の水準が大きく向上した。 世界銀行のウォルフェンソン総裁は、「貧困人口の減少数を基準にして考えると、中国は間違いなく世界で最も貧困撲滅事業に貢献している国だといえる」と話している。 |
2004.10.16 |
美容外科を訪れる層が広がっている。かつては鼻を高くしたり、目を二重(ふたえ)にするといった美容整形を希望する若い女性が主体だったが、最近は肌のシミやたるみを取るアンチエージング(抗老化)法などが、中高年の人気を集めているというのだ。【本橋由紀、写真も】 ■80歳でシミ取り 東京大学医学部付属病院(東京都文京区)の美容外科には、昨年1年間で初診患者1134人が訪れた。うち15%が60代以上で、手術を受けた患者の約46%は50代以上の人たち。また、初診患者の約13%は男性だった。 「79歳でフェースリフト(肌のたるみを取る若返り法)の手術を受けた人もいるし、80歳を過ぎてレーザーでシミを取ったり、コラーゲンやボツリヌス菌を注入してシワを取る人も多い。自分へのご褒美という感覚のようです」と、同科の吉村浩太郎(よしむらこうたろう)講師。同窓会の前に「同世代には負けたくない」と張り切る人もいれば、孫から「おばあちゃんの顔汚い」と言われたショックを受診の理由に挙げる人もいる。高齢化に加え、少子化で減った子供に嫌われたくない……。その診療実態が、今の日本社会の現実を浮き彫りにしているわけだ。 個人差はあるもののシミ取りは10万円ほど、フェースリフトは80万円ほどからできるが、総額150万円程度で複数の治療を受けるケースが多いという。「サフォ クリニック」(東京都渋谷区)の白壁征夫(しらかべゆきお)院長は「かつての美容外科はこっそり出入りするような場所で、素人のお年寄りが足を運ぶことはなかった。それが最近は、金銭的に余裕のある年配の女性がブランド品をそろえたり、船旅などに行くのと同じように、自分をきれいにすることにお金をかけている」と話す。同クリニックでは65歳で豊胸術、80代でフェースリフトも珍しくなく、上まぶたのたるみを取ったら肩こりや頭痛が解消した、と喜ばれるケースもあるという。 ■国立大学にも拡大 東大病院が、国立大学病院として初の美容外科を創設したのは98年。「民間の美容外科チェーンに抵抗があった患者さんが、大学病院なら安心と思ったことは確か。美容の患者は情報で動くので『東大に美容外科』というインパクトは大きかったと思う」と吉村講師は説明する。昭和大学や北里大学など私大の付属病院には以前から美容外科はあったが、東大での創設後、東北大や徳島大、神戸大、千葉大などの国立大でも美容目的の治療が始まっている。 当時、東大の形成外科教授として美容外科の創設にかかわった波利井清紀(はりいきよのり)・杏林大学教授は「独立行政法人化を前に、自由診療による収入増も必要だった。国立大学では経営方針から始めたところもある。ただ、女性の社会進出に伴って患者のニーズも増え、大学で倫理も含めた実践教育を受けた医師が、美容外科を担う必要性を感じたことも要因。従来、事故やトラブルも多い分野だったのは事実だから」と振り返る。 患者層の拡大の背景には、治療法が進歩して気軽に受けられるようになったこともある。鼻を高くしたり、目を二重にするという顔のつくりを変える手術はメスを使うが、注射やレーザー、高周波などによる治療法が次々に開発され、患者の抵抗感が少なくなっている。東大では、これまでに1万人以上がトレチノインという成分の入った薬剤を塗る美白治療を受けている。 「シミやシワ、たるみなど、老化した外面のコンプレックスで悩んでいる人は、美容外科で外面を変えると内面にいい影響をもたらすことが多い。これからも健康志向や若返りの医療の領域は広がるでしょうが、その医療が目指す方向性が大切です」と波利井教授は話す。 矢野経済研究所は美容外科の市場規模を推計している。それによると、00年1485億円、01年1570億円、02年1685億円と着実に拡大しており、同研究所では「患者の低年齢化は落ち着き、中高年にシフトしている。施術価格の明確化やインターネット情報の充実で需要が増えている」と分析している。 ■ホルモン治療も 治療法の進歩により、美容外科を開設する病院や医師も増えた。厚生労働省の医療施設調査によると、美容外科を持つ医療施設は02年で674カ所、美容外科医は610人で、90年と比べるといずれも2倍以上。このほかに、形成外科や皮膚科でも美容の治療をしている施設が増えている。 最近は、血液と尿を分析する生化学検査で98項目にわたってその人の体質などを調べ、ビタミン剤やホルモンを補充するアンチエージング治療の開発も始まっている。企業が「不老」ビジネスに積極的に乗り出している米国では盛んに行われているものの、こうした治療法については長期にわたるデータがなく、「安全性が確立されているとは言えない」という指摘もある。 米国で「老年学」を学び、老化を受け入れながら前向きに暮らすことを提言しているエージングスペシャリスト、朝倉匠子(あさくらしょうこ)さんは「『不老不死』に突き進んでいる米国では、80歳でシワが全くないような人も出てきた。美容外科の先進国が目指すのは、いかに長く、若く、健康に生きるかということ。日本でもホルモン治療は始まっているし、これからはシミ取りぐらいは、みだしなみの一つになるでしょう。でも、米国的に年齢を重ねることにアンチ、つまり否定するだけの立場でいいのでしょうか。死生観などとも関連しており、今後、議論が必要なテーマだと考えています」と話している。 〔毎日新聞〕 |
2004.10.15 |
■時効、遺族に壁 成立後自首、相次ぐ 「殺人でも15年逃げれば自由、おかしい」 殺人などの凶悪犯罪で、時効完成後に犯行を名乗り出る例が続いている。苦しみは続くのに、なぜ捜査に時間切れがあるのか。被害者の遺族は問いかける。 ●苦しみ・怒り、やり場なし 「人を殺しても、15年間逃げきれば、普段通りの生活が送れるのはおかしい。なぜ犯罪者を法律で保護するのか。遺族を守る制度はないのに」 北海道小樽市の会社員、石川憲さん(53)は憤りをあらわにする。 姉の千佳子さんは78年8月、突然姿を消した。当時29歳。東京都足立区の区立中川小学校で教諭をしていた。欧州への研修旅行から帰国した直後だった。家族には失踪(しっそう)の理由が全く思い当たらず、26年が経過した。 今年8月、中川小の警備員だった男(68)が「26年前に千佳子さんを殺した」と自首した。男は以前住んでいた足立区の自宅の床下に遺体を埋めていた。その自宅が区画整理で取り壊されることになった。 「時効が完成していることは、もちろん認識していた」。男は取材にこう答えた。「区画整理で土地が掘り返され、変な形で(遺体が)出てきたらどうなるのか」。起訴されないことを知った上での自首だった。 自首から1カ月半。石川さんへの謝罪はまだない。「時効完成で『犯罪者』と呼ぶことすらためらってしまう。犯人がわかってもどうにもならない。遺族を苦しめる時効は一日も早く廃止してもらいたい」 警視庁は男を殺人などの容疑で近く書類送検する方針だが、時効の完成で男は不起訴になる。 捜査にあたった警視庁幹部は「記憶の風化、無限には使えない捜査費用の壁といった現実がある」としながらも、「この事件は犯罪事実さえ認知できなかった。被害者に何もしてやれないのは本当にむなしい。現実的にも、とりわけ殺人の時効が15年というのは短すぎる」と語る。 昨年10月には長野県生坂村のダムで80年に水死体で発見され、県警が自殺と判断した会社員(当時21)を、別の事件で服役中だった男(54)が「自分が殺した」と告白していたことがわかった。男は時効の完成で不起訴処分になった。 会社員の母親(68)は男が出所する前、刑務所で面会した。男は「時効になったので告白した」と伝えた。県警には「民事でも時効(20年)が成立したので自白する気になった」と供述した。 母親は男の告白がわかった当初、県警に問い合わせたが、時効を理由に名前や住所も教えてくれなかったという。母親の代理人を務めた永田恒治弁護士は「真相を知りたいと願う被害者や遺族にとって、法的な請求権を失う時効は大きな壁だ」と話している。 ●25年へ延長答申、法曹界に賛否 法相の諮問機関・法制審議会は先月、公訴時効期間を延長するよう求める答申を提出した。犯罪の凶悪化に歯止めをかける狙いだ。殺人など死刑にあたる罪は時効を現行の15年から25年に延長する内容で、法務省は開会中の臨時国会に刑法などの改正案を出す方針だ。 時効制度は、時間の経過で処罰感情が薄れ、証拠が散逸して捜査が困難になるなどの理由で設けられたとされる。 元東京地検特捜部長の河上和雄駿河台大教授は「被害者や遺族の悲しみに時効は無いという意識が高まっている。DNA鑑定など科学捜査が進歩した現代にはそぐわない」とし、時効延長に賛成する。だが、その半面で「古い事件は担当者が代わって証拠収集も難しい。捜査員も意気込みが低い場合がある」と明かす。 日弁連は「被告人・弁護人にとって証拠を集め、裁判などで立証するのが困難になる」などとして反対を表明。「すべての事件に長期的に捜査員を配置するのは無理で、延長は警察の負担になる」と指摘する。 慶応大の安冨潔教授=刑事法=は「犯罪抑止の考えから今の議論があるが、長期にわたる警察力の投入は納税者の負担増にもなる。国民的な議論が必要だ」と話している。 ◇ ◇ ◆時効後に犯人だと名乗り出た最近の主な殺人事件 98年 2月 静岡県富士市で78年に銀行員の男性が殺害された事件で、男が自首して仲間との犯行を告白 02年10月 東京都杉並区で女性の白骨遺体が見つかった事件で、女性とその長女を68年に殺害したと交際相手だった男が自供 02年12月 静岡県富士川町で74年に女性の他殺体が見つかった事件で、男が静岡県警に養母を殺したと告白 03年10月 長野県の生坂ダムで80年に会社員の男性が水死体で見つかった事件で、服役していた男が手紙で殺害を告白 04年 8月 東京都足立区の小学校で78年に行方不明になった女性教諭を殺害したとして、元警備員の男が自首 04年 9月 東京都昭島市で88年に主婦が刺殺された事件で、別の窃盗容疑で逮捕された男が殺害を自供 〔朝日新聞〕 |
2004.10.12 |
■中高年の体力アップ 健康志向でウオーキング習慣浸透 子供の低下は歯止めかからず 文科省調査 中高年の体力・運動能力は向上しているものの、子供の体力は引き続き低下していることが、体育の日を前に文部科学省が発表した平成十五年度「体力・運動能力調査」で分かった。監修した順天堂大の青木純一郎副学長(運動生理学)は「運動が大切だという教育効果で、中高年の間にウオーキングなどの習慣が浸透した成果ではないか」と分析している。 調査によると、二十−六十四歳では、「握力」「反復横跳び」で向上していた。特に四十−七十九歳では体力テストから算出した体力年齢が実際の年齢より「若い」人の割合が、五年前よりも増えていることが明らかになった。 内閣府の「体力・スポーツに関する世論調査」では、週一回以上スポーツをする成人の割合は、昭和六十三年度の26・3%に対し、今年度は38・5%と12・2ポイントも増加した。全国のフィットネスクラブがつくる社団法人「日本フィットネス産業協会」(東京)によると、フィットネスクラブ会員のうち六十歳代の占める割合は平成十一年の9・6%から十四年は16・9%と大幅に増えたという。 こうした状況についてクラブ側は「年金問題や医療費負担の増加で、中高年の間で健康の大切さが見直されているのではないか」(綿貫道雄・セントラルスポーツ広報担当)とみている。 一方で、子供の体力低下傾向は止まらない。六歳から十九歳までの子供を年齢ごとに「50メートル走」「持久走」「立ち幅とび」「ソフトボール投げ」「握力」といった項目で比較すると、一部ではわずかに上昇したものの、全体としては低下している。 今年から導入した運動の頻度や生活習慣と体力の関係では、週に数回運動をする子供と、全くしない子供の体力差は年齢が進むごとに開いていた。 さらに、規則的な生活習慣と体力テストの得点の関係では、必ず朝食をとる子供は得点が高かった。十七歳女子では、必ず朝食をとる場合(50・81点)と全く食べない場合(43・12点)で7点あまりの差が出ており、格差は年齢が進むほど開く傾向が見られた。 また、週に一日以上運動する子供と、一日未満の子供では、六歳ではあまり差がないが、十一歳になると八種目いずれにも大きな差がついた。ところが睡眠時間との関係では、六−八時間の睡眠をとる子供に対して、八時間以上寝ている子供は逆に体力テストの得点が低くなる傾向も明らかになり、運動をする習慣のない子供が朝いつまでも寝ている状況も浮かび上がった。 前出の青木副学長は「昔は子供は外で遊んでいたが、環境が変わり、今後は大人の知恵で子供に運動を与えなければいけない」と、社会の変化が子供の体力低下の背景にあると分析している。 ◇ 体力・運動能力調査 文部科学省が国民の体力・運動能力の現状を明らかにするため、毎年「体育の日」近くに公表する。今年は、6−79歳の7万4194人(回収7万1896人、回収率96.9%)を対象に「握力」や「上体起こし」「20メートルシャトルラン(往復持久走)」など年代によって7−8種目を測定した。 〔産経新聞〕 体力低下や遊び場不足で、逆上がりや自転車に乗ることができない「ひ弱な現代っ子」が増える中、家庭に出向いて運動を指導する「スポーツの家庭教師」が人気を呼んでいる。両親が多忙で子供と一緒に運動する時間が取れないこともあり、需要はうなぎのぼり。体育専門の家庭教師派遣業最大手の「スポーティーワン」(東京都渋谷区)では会員が約300人に達し、運動会や「お受験」に向けての依頼が絶えない。 「走るとき、ひざが外を向いているんだよ。まっすぐ上げるともっと速くなるよ」 川崎市の原大知(だいち)くん(10)は毎週末、「スポーティーワン」から派遣された家庭教師から走り方の指導を受けている。運動会のかけっこで毎年下位だったことを心配した母親が依頼した。 公園でタイヤチューブを使ったスタートダッシュの特訓をしたり、室内では床に寝転んでペダル運動をして、脚の動かし方を練習する。指導を受けて3カ月たち、大知くんは「フォームがかっこよくなった」とうれしそう。来年の運動会で選手に選ばれることが目標だ。 ほかにも、かけっこでいつもビリだった小学3年の男子は、夏休みから約1カ月の特訓で、その年の運動会でいきなりトップになった。「1週間後のテストまでに逆上がりを克服したい」と依頼した小学4年の男子は、毎日特訓してテストで見事合格した。水に顔をつけられずプールに入ることも嫌がっていた小学6年の男子は、2年かけて1キロの遠泳ができるようになった。 「正しい指導を受ければ、だれでも必ずできるようになる」。水口高志社長(31)の持論だ。「運動ができないためにいじめられたり不登校になったりする子供もいる。そんな子供たちを救いたい。自分でもできるんだと自信を持ってほしい」 うわさは口コミで広がり、現在会員300人を抱え、毎日問い合わせの電話が絶えないという。 一方、今夏に会社を設立して参入した「スポーツマジック」(東京都渋谷区)の山本豪代表(31)は、依頼してくる子供があまりに運動ができないことに驚いた。 腕を振らずにだらんと下げたまま走ろうとしたり、ボールを投げようとしても怖がって顔をそむけたり、手を前に出すことができずにボールを受けられなかったり…。 「個人指導を頼むのは、学校の部活やスポーツクラブの集団指導についていけない子供が大半のため、低レベルだと想像していたものの、予想を大きく下回っていました」と振り返る。 しかしそういった子供は運動の経験がなく、方法を知らないだけ。山本さんが「走るときは腕を曲げて、上に向けて振ればいいんだよ」「ボールは当たっても痛くないから、怖がらなくていいよ」とちょっとアドバイスするだけで、見違えるように上達するという。 ビジネスが盛況である現状について「少子化で数少ない子供に親の期待が集中する半面、遊ぶ場所がなく、親も忙しいという都会特有の状況が業界を後押ししている」と話し、「家庭教師がつかなくても、日常生活の中で泥まみれになって体を動かすことができる社会が理想なのでしょうが…」と苦笑いした。 〔産経新聞〕 |
2004.10.10 |
皇太子さま、おひとりの登山Vol.3 それにしても、こんな記述には語弊もあるでしょうが、皇族も、率直なところ私にはただ不可思議な旧態善とした存在でしかないのです。 何より皇族は、日本古来から永々と受け継がれてきた重要な歴史伝統の産物ですし、半世紀前の終戦当時までは、天皇たるやまさに神格化されていたわけですから、まだ多く現存するその当時を生きた世代にはやはり今なおお姿拝見に一喜一憂するような特別な存在なのでしょう。 また、そうした熟年世代に限らず、価値基準や思い入れの程度こそ異なれども、私よりも若年層に至っても、皇室フリークは決して少なくはありませんし、また社会一般の常識としても、現状の皇族の位置付けや扱われ方が善しとされているのでしょうが、多くの戦争を知らない世代の意識の在り様は実際ところは如何なるものなのでしょうか???・・・。(続く) |
2004.10.08 |
■アンチエイジング 健康で若々しく生涯過ごしたい 高齢化時代の医療 十年後には国民の約四人に一人が六十五歳以上になる“超高齢化”時代を前に、年を取ることによる衰えに抵抗しようという医療行為「アンチエイジング(抗加齢)」が注目を集めている。昨年には学会も発足、健康に生涯をおくり、寿命をまっとうすることを目指した研究が進められている。現代版“不老不死”の試みとは−。(滝川麻衣子) ■いつまでも現役 肌の美容治療を受ける女性の中心は、今や六十−七十代だ。 京都市上京区の「かどの診療所」経営の医師、角野宏達さん(六八)は昨年十月、しわやしみなど皮膚の老化現象を“治療”する美容皮膚科を開設。美肌の維持や若返りを期待して足を運ぶ女性の三分の一は、六十歳以上だという。最高齢は八十五歳の女性。「昔と今では同じ八十歳でも大違い。高齢者そのものが変わりつつある」と角野医師。 京都府八幡市の無職、鳩崎きみ子さん(七一)は、強い毒性を生む一方、作用を逆手にとって最近は医療分野へ使用されているボツリヌス菌の肌への注入でみけんのしわを取り、電気レーザーによるしみ取りなどを受けた。「老人の殻に閉じこもるのはいや。いつまでも現役でいたい」と話す。 ■不老への挑戦 アンチエイジングの治療対象は美容分野だけではない。「加齢による体の衰えや発病は遅らせることができる」という発想。遺伝子の構造から推測される人間の生命学的寿命は、およそ百二十五年とされる。このうち約百年を元気に過ごすことを理想としている。 首都圏を中心に、総合的なアンチエイジング医療を行う病院が増えている。 東京都渋谷区の北青山Dクリニックは、ヒト成長ホルモンや副腎(じん)皮質ホルモンなど年齢とともに枯渇するホルモンを皮下に注入する、ホルモン補充療法などを実践。骨や筋力の減少、不安感、しわやたるみなどに効果があるという。 こうした「予防治療」に保険はきかず、一カ月十万円程度と治療費は高額だが、四十−七十代の患者を中心に希望者が多いという。阿保義久院長は「少子高齢社会で抗加齢治療はますます重要になる。寝たきりで医療費を払うか、若さと健康を維持するためにお金を使うかの選択」。 同様の考え方は東洋医学では古くから継承されている。吉川雅之・京都薬科大教授(五七)=生薬学=は「病気になってから薬を投与するのではなく、未然に生薬で治療する東洋医学の考え方が、今改めて注目されている。ただし、健康食品については、インチキなものも含め情報が氾濫(はんらん)しているのが現状」と見極めの大切さを指摘している。 ■未来の高齢者 アンチエイジングの正しい知識を広めようと昨年四月、医学研究者や医師らが「日本抗加齢医学会」(会長、水島裕・聖マリアンナ医科大学名誉教授)を立ちあげた。来年六月には、抗加齢の専門医・指導師の最初の認定試験を実施する。 同学会副理事長の、京都府立医科大の吉川敏一教授(五七)は「老化の要因には活性酸素により体が“錆びる”フリーラジカル説が有力。ビタミンなど特定の抗酸化物質の服用で、防ぐことは可能」。そして、「高齢化と老化は別のもの。高齢者はいても老人のいない時代がくる可能性は十分にある」。 アンチエイジングの研究は、個人の健康だけではなく、医療費の削減や長期的な労働力の確保など、少子高齢化社会の大きな光明となることを目指している。 〔産経新聞〕 |
2004.10.04 |
■「自分はまだ若い」男性65%、女性73% 博報堂調査 「自分で実感している年齢」は、本当の年齢よりも平均で7.2歳若いという調査結果を、博報堂生活総合研究所がまとめた。10〜20代では実感年齢の方が実年齢より2.5歳高いものの、その後逆転し、年齢が増すにつれて差が広がる傾向にあり、30〜40代で7.6歳、50代以上では11.1歳、実感年齢の方が若かった。 首都圏に住む18〜76歳の男女約400人を対象に調査した。本当の年齢と実感年齢が「ずれている」と答えた人は全体の74%で、「同じ」と答えた24.4%を大きく上回った。女性では7.9歳、男性で6.4歳、実感年齢の方が若かった。 「自分はまだ若い」と感じている人は男性で65%、女性で73%いた。「相手の年齢をぴったり言い当てたら、ほとんどの場合で不快に思われることになる」と同研究所。
中学生の八割が親との関係は円満だと考えている半面、この年代に特有の「反抗期」の傾向が失われている実態が、教育シンクタンク「ベネッセ未来教育センター」(東京都多摩市)の意識調査から浮かんだ。調査をまとめた深谷昌志・東京成徳大学子ども学部教授は「一見、好ましい結果に見えるが、子供が親に依存し続けて精神的な自立が遅れている。社会全体でみると心配な結果だ」と指摘している。 調査は今年二月、関東の中学一−三年生千三百五十五人を対象に行われた。家庭で過ごす時間について半数を超える中学生が「のびのびできる」「安心できる」「楽しい」と回答。「退屈」「イライラする」「孤独」など否定的な回答はどれも半数以下だった。 親との会話は「父親とよく話す」が26・7%、「母親とよく話す」が54・9%。「親は自分を理解している」と答えたのは70・6%で、「親とうまくいっている」は父親とが77・7%、母親とは87・4%を占めた。「今と同じ家庭に生まれ変わりたい」(46・6%)が「生まれ変わりたくない」(21%)を大きく上回り、親を肯定的にとらえ、円満な家庭に満足している姿が浮かぶ。 半面、親はどういう場面で絶対にしかると思うかを複数回答させたところ、「先生の言うことを聞かなかった」「近所の人にあいさつしなかった」「朝家族に『おはよう』といわない」はいずれも10%前後。子供をしからない親たちの姿がうかがえた。 また「どういうことで親を超えたか」の問いに「母親の体力」とした中学生は79・8%だが、半数を超えたのはこれのみ。「付き合い方」「社会の見方」「社会常識」はどれも25%以下だった。 この結果について深谷教授は「これが小学生高学年の調査なら全く問題ないのだが、中学生になると、親に依存していた子供は親を疎ましく感じたり目障りに感じるもので、こうした反抗期固有の傾向がうかがえない。これは高校生への調査でもみられる傾向だ」と指摘する。 そして、「家庭が円満なことを否定する必要はないが、反抗期は子供が精神的に自立する上で不可欠な過程だ。近年の、友達同士のような親子関係や、親元を離れない『パラサイトシングル』などの現象と無関係と思えない。反抗期が消え、ゆるやかに成長するスタイルが定着したともいえるが、反抗期を持たない子供がどう自立するのか心配だ」と話した。 ◇ ≪人生観示さぬ親≫ 子供の心相談をしている北海道旭川市の小児科医、田下昌明さんの話 「中学生が家庭でのびのびでき親に理解されていると感じることは、子供が親をうまく利用できていると思っていることの裏返し。いまの親は自分の人生観を子供に示しておらず、目に見えない親の大きさを子供が感じていない可能性がある。子供が三つ四つのころから子供の話を真剣に聴き、自分の人生観を示し、子供と生きる目的や理由について一緒に考えることを普段からしていなければ、子供は自分で道を探そうとはしない」 ◇ 反抗期 親から自立する過渡期にみられる一過性の不適応状態。子供は親に心身とも依存して育つが、中学生ぐらいになり自立するようになると、自分とよく似た、しかも身近にいる親の存在を目障りに感じたり、無視するなどの態度に出る。自分の殻にこもり、月日がたって自分ができてくると、殻を破って自分を表し、親との関係もやがて修復される。幼児期の第一次反抗期と対比し、第二次反抗期とも呼ばれる。 〔産経新聞〕 |
2004.10.03 |
午後のカフェの面々Vol.5 最後に登場したのは、何と・・・私に対してのホストのスカウトマンだったのです。 待ち合わせの時間が近付きつつあったので、そろそろ片付けようと、ノートPCとPDAの同期をとっていたところに、ブラックスーツに髪をきっちりと固めた私よりも若干年少かと思われる男性がいきなり声をかけてきたのです。 「突然失礼いたします。私はこうゆう者ですが、ちょっとこちら宜しいでしょうか・・・」と名刺を私に差し出しながら、空いていた隣の席に腰を下ろしました。 名刺を見ると、社長が度々マスコミにも登場する有名なホストクラブのフロアーマネージャーとあります。 話を聞けば、昨今とみに増加しつつある女性経営者といった顧客に対して、政治や経済あるいは国際情勢などといった堅い話題にもきちんと対応できるような大人のホストを探しているのだとか・・・。(続く) |